コンクリートの設計基準強度・耐久設計基準強度・品質基準強度の違い

構造太郎です。

設計基準強度、耐久設計基準強度、および品質基準強度、整理しましょう。

設計基準強度(Fc)とは

設計基準強度とは、構造設計で必要となるコンクリートの圧縮強度です。設計図(構造図)に特記されています。設計基準強度は、通称「Fc」と呼ばれています。

耐久設計基準強度(Fd)とは

耐久設計基準強度は、対象となる構造体の計画供用期間の級に応じて異なります。基本的には特記によりますが、下表に示すJASS5に準じている場合が多いです。耐久設計基準強度は、通称「Fd」です。

ちなみに計画供用期間とは、大規模な補修を必要としない期間、言い換えれば大規模な補修を必要とするような劣化状態には達しない期間となります。

計画供用期間の級 耐久設計基準強度 Fd(N/mm2
短期(30年) 18
標準(65年) 24
長期(100年) 30
超長期(200年) 36(※)

(※)かぶり厚さを10mm増やした場合は、30N/mm2とすることが可能

もう少し詳しく説明すると、コンクリートの耐久性に関わる性能(中性化・鉄筋腐食などに対する抵抗性)は、コンクリートの圧縮強度を指標として表すことができます。コンクリートの圧縮強度が大きくなれば、耐久性もアップすると考えてください。コンクリートの圧縮強度と中性化速度との関係から耐久設計基準強度が求められ、上表の結果となります。

一般的には、中性化速度が1cmあたり20年程度と言われています。よって、かぶり3cmとすると3cm×20年程度≒60年程度が計画供用期間となりますね。

品質基準強度(Fq)とは

品質基準強度は、設計基準強度または耐久設計基準強度、どちらかの大きいほうの値を指します。要は、構造体が設計基準強度および耐久設計基準強度、両方を保証するための品質基準値として定められたものです。品質基準強度は、通称「Fq」です。

最後に

コンクリート強度は構造設計だけで決まるのではなく、耐久性にも配慮して決められているということですね。中性化に関する関連記事もご参考ください。

以上、構造太郎でした。

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